みんな私の友達なの? ウィリアムズ症候群におけるアプローチに関する認知



Is everybody always my friend? Perception of approachability in Williams syndrome.

Frigerio E, Burt DM, Gagliardi C, Cioffi G, Martelli S, Perrett DI, Borgatti R.
Neurorehabilitation Unit, IRCCS 'E. Medea', Bosisio Parini (Lc), Italy; Institut of Psychology, School of Medicine, Milano, Italy.
Neuropsychologia. 2006;44(2):254-259. 2005 Jul 6; [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群の患者は、友好的な性格と、誰でも自分の友達であるかのように見境無く他人に近づいていく行動で有名である。他人に近づいていくこの傾向は、見慣れない顔という刺激に対する興味の強さを反映している。見慣れない顔の表情に対する認知を調査し、ウィリアムズ症候群の患者は顔を常にアプローチしやすいと判断しているわけではないことが判明した。幸せそうな表情に対しては、ウィリアムズ症候群患者は対照群に比べてアプローチしやすさに対して高い評点を与えている。対照的にその他のアプローチしにくい表情刺激に対しては、ウィリアムズ症候群患者は対照群に比べてアプローチしやすさに対して低い点数をつけた。このようにウィリアムズ症候群患者は他人をアプローチしやすさという観点から区別しているが、社会的かかわりを求める強い強迫観念を抑えきれないと推定される。社会的かかわりを好む強迫観念について、「友好的な性格」と「社会的な刺激を特に求めること(社会的な刺激の魅力)」の両方の観点から議論する。

(2005年7月)(2006年1月修正)



目次に戻る