ウィリアムズ症候群に特有のモーション視覚処理



Motion processing specialization in Williams syndrome.

Reiss JE, Hoffman JE, Landau B.
Department of Psychology, University of Delaware, Newark, DE 19716, USA.
Vision Res. 2005 Jul 7; [Epub ahead of print]


ウィリアムズ症候群は重度の空間障害と比較的保存された言語処理を特徴とする希少遺伝病である。初期の報告ではウィリアムズ症候群患者は一般的なモーション視覚処理に障害があるといわれていたが、最近の研究によると、特定のモーション認知システムが維持されていることを反映して生物学的モーション認知は無傷であることが示唆されている。本研究では保存されている認知機能が生物学的モーションに対してだけ働くのか、他のモーション課題に対しても同様なのかを調査した。ウィリアムズ症候群の子どもと成人及び正常な対照群に対して、様々なモーション課題に対する発達的変化があるかどうかを調査した。その結果、ウィリアムズ症候群の患者は、モーション干渉(motion coherence)や生物学的モーション課題に対しては正常レベルの成績を示すが、モーションからの2次元形状課題(2-D form-from-motion task)に対する閾値が高くなっている。このプロファイルは成人になっても同様である。この発見によれば、遺伝子の障害は選択的にモーション視覚処理に障害を与え、ウィリアムズ症候群については一般的なモーション視覚処理の障害が含まれていることを立証した。モーション障害の本質として、ウィリアムズ症候群の背側/腹側経路の処理との関連を含めて考えられている。

(2005年7月)



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