ウィリアムズ症候群における不安、聴覚過敏、音楽性



Fears, hyperacusis and musicality in Williams syndrome.

Blomberg S, Rosander M, Andersson G.
Department of Behavioural Sciences, Linkoping University, Sweden.
Res Dev Disabil. 2005 Oct 31; [Epub ahead of print]


本研究はスウェーデン人のウィリアムズ症候群患者のサンプルについて、不安と聴覚過敏の保有率、および不安と聴覚過敏と音楽性の関係を調査した。本研究では38人の患者について横断的に調査を行った。対照群は設定していない。被験者をよく知っている2名の者が質問票に記入を行った。被験者の58%から心理測定的研究に比べて標準偏差で+2以上の不安があるという報告があがっている。提示された閾値を超える聴覚過敏は13%であり、心理測定的研究では2.5%である。女性の被験者のほうが男性に比べて不安も聴覚過敏も強い傾向が報告されている。不安と聴覚過敏の関連については驚くべき発見があった。この予備的報告はウィリアムズ症候群の患者群集団において、不安や心配は聴覚過敏と相関があるという仮説を示唆している。音楽性が防衛的な役割を果たして不安を予防できるという仮説に関しては、否定あるいは非常に限定的な支持しかないという結果になった。聴覚過敏は全体的で容易な覚醒(a general,readily arousal)や交感神経における傾向と関連していて、精神病理の脆弱性として観察されるという仮説について考察する。

(2005年11月)

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本論文は下記論文誌に掲載された。

Research in Developmental Disabilities
Volume 27, Issue 6 , November-December 2006, Pages 668-680

(2006年11月)



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