ウィリアムズ症候群における神経生物学:視覚系障害の連鎖的影響
The neurobiology of Williams syndrome: Cascading influences of visual system impairment?
Eckert MA, Galaburda AM, Mills DL, Bellugi U, Korenberg JR, Reiss AL.
Department of Otolaryngology-Head & Neck Surgery, Medical University of South Carolina, 135 Rutledge Avenue, P.O. Box 250550, Charleston, SC, 29425, USA, eckert@musc.edu.
Cell Mol Life Sci. 2006 Jun 30;
ウィリアムズ症候群は7番染色体上の遺伝子の微小欠失を原因とし、認知機能・行動・神経生物学的面における独特なパターンが特徴である。ウィリアムズ症候群において視空間能力が特に影響を受けており、ウィリアムズ症候群の神経生物学的研究によれば、空間を把握して行動する場合に重要となる、後頭/頭頂・視床・小脳部位の形態と機能が通常とは異なっていることが判明している。本レビューでは、ウィリアムズ症候群における神経生物学は発見内容をまとめ、これらの事実に基づいてウィリアムズ症候群の人たちは空間を把握して行動する場合に重要となる神経系に第一次の障害がある可能性がある。同時にウィリアムズ症候群の人たちにおいて、視覚系障害の発達異常が非典型的な社会情動機能や言語能力に影響を与えているのかという疑問を検討した。最終的に、本稿ではウィリアムズ症候群における視覚系障害の発達状況に関する解説を試みた。転写因子II-I遺伝子(transcription factor II-I gene)ファミリーの半接合が視覚系の発達に影響を与えていると思われる一方で、Limキナーゼ1の半接合も空間を把握して行動する際の障害を悪化させている可能性がある。
(2006年7月)
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