心の窓を読む。
ウイリアムス症候群の特定領域における機能維持の証拠



Reading the windows to the soul.
Evidence Of domain-specific sparing in williams syndrome.

Tager-Flusberg H, Boshart J, Baron-Cohen S
The Shriver Center, Department of Behavioral Sciences, Waltham MA, US, 200
Trapelo Road, 02154. htagerf@shriver.org.
J Cogn Neurosci 1998 Sep;10(5):631-9

本研究では、遺伝子が原因の希少神経発達疾患で変った認知表現型を示すウイリアムス症 候群には、他人の心を理解するという領域において能力が維持されているという仮説の検 証を行った。ウイリアムス症候群を持つ発達遅滞の成人のグループを、年齢・IQ・言語能 力が同じ程度のプラダ・ウィリー症候群(Prader-Willi syndrome)の成人のグループ、及 び年齢だけが一致する正常な成人のグループと、精神的能力を調べる課題について比較し た。顔の目の部分だけで複雑な精神状態を表現した写真に対して、適切な表示(ラベル) を選ぶ課題が含まれている。この課題に対して、ウイリアムス症候群の成人は、プラダ・ ウィリー症候群の成人に比べて成績が著しく良く、約半数は正常な成人と同じ範囲の成績 を示した。この発見はウイリアムス症候群の逸話的証言と一致しており、精神的能力は独 立した認知領域であることの証拠でもある。この機能が維持された認知機能はウイリアム ス症候群の大脳辺縁系の神経基部と関連がある可能性がある。これは、複雑な精神状態の 理解をしていると思われている前頭部皮質領域にも関連がある。

(1998年11月)



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