ウィリアムズ症候群におけるテクスチャー分割
Texture segmentation in Williams syndrome.
Farran EK, Wilmut K.
School of Psychology & Clinical Language Sciences, University of Reading, Earley Gate, Reading RG6 6AL, UK.
Neuropsychologia. 2006 Oct 11;
ウィリアムズ症候群は言語能力に比べて視空間認知能力が劣っている発達障害である。視空間認知能力レベルについていえば、ウィリアムズ症候群の患者はイメージの部分構造や全体像を知覚することができる。しかし、部分的要素を全体像に統合する方法は非典型的であり、形・傾き・近接などよりも輝度・閉合・整列による統合のほうが優れている。本研究では全体像を部分的要素に分割する方法を調査した。7つあるゲシュタルトの法則による分割を調査した。近接、形、輝度、傾き、閉合、サイズ(と整列:実験1のみ)。被験者は均一なテクスチャーの四角形群を呈示され、(実験1)その中に相違する形状を探すように求められる、(実験2)その形状が英大文字のEかHかを特定するように求められる。実験1において、ウィリアムズ症候群グループの傾向と成績レベルは普通に発達した対照群と変わらず、ウィリアムズ症候群患者にみられる非言語的能力の総合レベルと釣り合っている。この傾向は実験2でも同様だったが、ウィリアムズ症候群グループにおいて近接による分割の成績だけが、他の分割方法による比較して優れていたことだけが異なっていた。全般的に言って、ウィリアムズ症候群で言われている視空間認知機能の異常な面とは異なり、この結果は全体像を部分要素に分割する能力はごく普通であることを示している。さらに、これはウィリアムズ症候群の脳、特にV1野とV4野の機能につての予見を与える。
(2006年11月)
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