ウィリアムズ症候群と中程度の学習障害における視覚短期記憶と空間短期記憶の結合
Binding of visual and spatial short-term memory in Williams syndrome and moderate learning disability.
Jarrold C, Phillips C, Baddeley AD.
Department of Experimental Psychology, University of Bristol, Bristol, UK.
Dev Med Child Neurol. 2007 Apr;49(4):270-3.
本研究の主目的はウィリアムズ症候群患者においては空間情報の記憶は選択的に障害を受けているが視覚情報の記憶は障害されていないという主張を確認することである。ウィリアムズ症候群患者16人(男性6名、女性10名;平均年齢18歳7ヵ月(標準偏差7歳6ヵ月)、年齢範囲9歳1ヵ月〜30歳7ヵ月)に対して品目と場所の情報に関する短期記憶課題を実施し、視空間能力を一致させた中程度の学習障害者(男性12名、女性4名;平均年齢10歳3ヵ月(標準偏差1歳)年齢範囲5歳10ヵ月〜7歳9ヵ月)の成績と比較した。2番目の目的は「特定の場所にある品目」情報を思い出すために必要となる、視覚と空間の情報を結合させる能力に障害がるかどうかを確認することである。これまでの発見とは異なり、ウィリアムズ症候群患者において視覚記憶に比べて空間記憶の障害の程度が重いという証拠は見られなかった。しかし、ウィリアムズ症候群患者も中程度の学習障害者も「特定の場所にある品目」情報に関する記憶に障害が認められ、結合の問題が学習障害と全般的な関連があることを示唆している
(2007年3月)
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