定型的及び非定形的な目算能力の発達
Typical and atypical development of visual estimation abilities.
Ansari D, Donlan C, Karmiloff-Smith A.
Neurocognitive Development Unit, Institute of Child Health, London, UK. daniel.ansari@uwo.ca
Cortex. 2007 Aug;43(6):758-68.
算数能力に発達障害が共通的にみられるにも関わらず、粗い検討が行われた過ぎない。我々は発達障害であるウィリアムズ症候群の低レベルの数値表現とその発達経過を調査した。ウィリアムズ症候群(WS)のグループと普通に発達した(TD)グループの被験者に対して、5個、7個、9個、11個の点から構成される格子を急に提示し、その数を目算させた。正常な発達経過に比べて、ウィリアムズ症候群の目算能力の個体発生は遅れているとともに異常である。普通に発達した被験者の目算は発達と共に有意に正確になり異常が減るが、ウィリアムズ症候群グループでは年齢が変化しても目算能力の発達的変化はわずかである。我々の調査結果は、非典型的な発達における低レベルの数認知コンポーネントの発達的変化を考慮することの重要さを強調するとともに、正常な発達における定量的な変化とその機能的役割に詳細な注意を払うことの重要性を指摘している。
(2007年9月)
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