学習障害児を含む特別支援を要する児童・生徒に対する発達神経心理学的研究



研究実績報告
報告年度 2006
研究期間 2005-2007
研究課題番号 17530697
研究課題名 学習障害児を含む特別支援を要する児童・生徒に対する発達神経心理学的研究
研究代表者 内田 芳夫  (ウチダ ヨシオ) 鹿児島大学・教育学部・教授
研究代表者番号 20004129
研究機関 鹿児島大学 研究機関番号:17701
研究種目 基盤研究(C) 研究種目コード:320
審査区分 一般 区分コード:03
研究分野[3] 特別支援教育 研究分野コード:4004
キーワード Williams症候群児 / 学習障害児 / 神経心理学的研究

研究概要

特異な事例の抽出として、Williams症候群児(WS児)に対する学習支援を行った(鹿児島高次脳機能研究会会誌、17(1)、2006)。対象児は、K-ABCの数唱課題の記憶スパンが2であり、カウンティングや、指示された数の事物を取り出すことは困難であった。そのような児において、3項目の絵カード記憶課題が可能となった点は、WS児における聴覚音声的語彙が、概念形成の媒介機能を果たす可能性が高いことを示唆した。

また、Williams症候群児(WS児)における言語の媒介機能の特徴についてポスター発表を行った(日本特殊教育学会第44回大会発表論文集、2006)。研究の結果、WS児の特異的な聴覚音声能力の高さが、言語による行動調整機能や概念機能の促進要因となりうることを示唆した。特に、表象の獲得に伴い、種々の機能が獲得された点からは、対象児にとって意味理解が可能な語を特定し、それを中心とした指導が必要と考えられた。

(2008年7月)



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