社会的認知と情動神経科学研究のモデルとなる症候群:自閉症とウィリアムズ症候群の比較



Model syndromes for investigating social cognitive and affective neuroscience: a comparison of autism and Williams syndrome.

Tager-Flusberg H, Skwerer DP, Joseph RM.
Boston University School of Medicine, Boston, MA, USA.
Soc Cogn Affect Neurosci. 2006 Dec;1(3):175-182.

自閉症とウィリアムズ症候群は遺伝子的原因をもつ神経発達障害であり、それぞれまったく異なる社会的表現型を呈する。自閉症は社会的対人関係とコミュニケーションに基本的な障害がある。一方、ウィリアムズ症候群は高度な社会性がありとても愛想がいい。本論文は、神経認知メカニズムをテーマとした行動と神経画像処理に関する文献をレビューする。文献は、対照的な社会的表現型の基礎をなすもの、特に顔処理研究に注目して選んだ。また本論文は、両症候群の社会的表現型が扁桃体など「社会脳」を司る重要な領域間の結合の障害に特徴付けられることを結論とした。

(2008年11月)



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