ウィリアムズ症候群における精神病理学的障害と行動障害:性別・暦年齢・認知能力の影響
Psychopathological and Behavior Impairments in Williams-Beuren Syndrome: The Influence of Gender, Chronological Age, and Cognition.
Porter MA, Dodd H, Cairns D.
Psychology Department, Macquarie University, Sydney, Australia.
Child Neuropsychol. 2009 Jan 5:1-16. [Epub ahead of print]
本研究の目的はウィリアムズ症候群における精神病理学的障害と行動障害を探索することであり、グループ的傾向ではなく個人個人の差異に注目した。両親/保護者が評価した子供向け行動チェックリストを分析し、性別・暦年齢・認知能力が精神病理学的障害に与える影響を調査した。精神病理学的障害と行動障害は変動が大きく、性別と特定の認知能力が有意かつ独立して変動に寄与している。これは予測と一致し、ウィリアムズ症候群の認知能力の不均一性と傾向を同じである。性別については、ウィリアムズ症候群の女性は男性にくらべて外面化課題に対して顕著な障害がある。特定の認知能力についは、ウィリアムズ症候群の認知プロフィールを特徴付ける認知機能(言語能力に優れ、空間技能に劣る)は内面化課題のほうに有意な影響がある。さらに研究を続けることでウィリアムズ症候群患者の根底にある遺伝子及び神経学的差異を調査することで、精神病理学的及び認知的機能の変動を説明できる可能性がある。
(2009年1月)
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