映画やマンガを見る:ウィリアムズ症候群と自閉症から得られる視線追跡状況
Looking at movies and cartoons: eye-tracking evidence from Williams syndrome and autism.
Riby D, Hancock PJ.
School of Psychology, Newcastle University, Newcastle-upon-Tyne NE17RU, UK. d.m.riby@ncl.ac.uk
J Intellect Disabil Res. 2009 Feb;53(2):169-81.
背景:
自閉症とウィリアムズ症候群は特徴的な社会的表現型を合併する神経発達障害である。自閉症患者は社会的に重要な手がかりに対する興味を欠くのに対して、ウィリアムズ症候群の患者は社会的に関連する情報に対して多大な興味を示すことが多い。
方法:
現在行っている視線追跡研究は、ウィリアムズ症候群と自閉症の患者が、俳優やマンガのキャラクターを含んだ社会的シーンや映画の場面に対してどのような好みを見せるかを探索した。顔・体・背景それぞれを見つめた時間の比率を測定した。
結果:
自閉症患者はキャラクターの顔を見つめる時間は正常群に比べて短かったのに比べてウィリアムズ症候群の患者は同部分に注意を払う時間が正常群に比べて長かった。自閉症患者の非定型注目行動は俳優からマンガのイメージや映画にまで広がっているのに対して、ウィリアムズ症候群の患者の非定型状態は人間の俳優に限られていた。
結論:
報告された注目行動は、自閉症やウィリアムズ症候群合併する多岐にわたる社会的興味に関する実験的証拠を提供する。
(2009年2月)
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