認知と脳と分子遺伝学の間の橋渡し:ウィリアムズ症候群が提供する証拠



Bridging cognition, the brain and molecular genetics: evidence from Williams syndrome.

Bellugi U, Lichtenberger L, Mills D, Galaburda A, Korenberg JR
The Salk Institute for Biological Studies, La Jolla, CA 92037, USA.
Trends Neurosci 1999 May;22(5):197-207

ウィリアムズ症候群は散発的に発生する疾病で、医学・認知科学・神経生理学・神経解剖 学・遺伝学的に独特のプロフィールを持っている。ウィリアムズ症候群の認知面の特徴は、 言語と顔認識が比較的優れているのに比べて空間認識がかなり損なわれているというよう に分離している点である。ウィリアムズ症候群の人は過度に社交的な行動も見せるが、こ れは自閉症で見られるのとは対極にある。ウィリアムズ症候群の遺伝子的特徴は染色体バ ンド 7q11.23 の欠失である。ウィリアムズ症候群は次に述べる特定の神経形態学的、神経 生理学的プロフィールを伴う。すなわち、前頭葉・辺縁系・新小脳構造が比較的小さいこ とがMRIによって確認さている。また、事象関連能力(event-related potentials)を使っ た研究によって、言語と顔認識の基礎となっている神経システムの異常な機能的組織が明 らかにされた。ウィリアムズ症候群の認知科学・神経生理学・神経解剖学的分野における 不均一性は、認知と脳、最終的には遺伝子の間の関係を解明する強力なモデルを提供して いる。

(1999年5月)

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