感情を表現した顔と無表情な顔の認識:ウィリアムズ症候群と自閉症の比較



Recognition of emotional and nonemotional facial expressions: A comparison between Williams syndrome and autism.

Lacroix A, Guidetti M, Roge B, Reilly J.
Centre de Recherches en Psychologie, Cognition et Communication (EA 1285), Universite de Rennes 2, France.
Res Dev Disabil. 2009 Mar 13. [Epub ahead of print]

本研究の目的は2種類の神経発達疾患(ウィリアムズ症候群と自閉症)に対して感情を表現した顔と無表情な顔の認識能力を比較することである。これら2症候群を比較することは、顔認識プロセスの探求にはうってつけであり、社会的行動や社会的認知をより深く理解することに貢献する。ウィリアムズ症候群患者12人(6歳1ヵ月から15歳)と自閉症患者12人(4歳9ヵ月から8歳)で言語的精神年齢を一致させた。彼らの成績を言語的精神年齢を一致させた正常な対照群(3歳1ヵ月から9歳2ヵ月)と比較した。感情を表現した顔と無表情な顔の認識に関する異なる側面を調査するために5種類の課題を用いて検査を行った。検査結果によれば感情を表現した顔の認識に関してウィリアムズ症候群は自閉症より障害を受けている程度が大きい。狭い年齢幅の中でウィリアムズ症候群と自閉症を比較した我々の研究は、2つの特徴的なプロフィールに焦点をあてるとともに、それが社会的行動や社会的認知と感情の認識の間の関連に疑問を投げかけることにつながる。

(2009年3月)



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