ウィリアムズ症候群における空間認知能力:放射状迷路による研究
Spatial competences in Williams syndrome: a radial arm maze study.
Mandolesi L, Addona F, Foti F, Menghini D, Petrosini L, Vicari S.
IRCCS Santa Lucia Foundation, Rome, Italy. laura.mandolesi@uniparthenope.it
Int J Dev Neurosci. 2009 May;27(3):205-13. Epub 2009 Jan 24.
本研究は放射状迷路課題を用いてウィリアムズ症候群被験者の空間認知能力を評価し、精神年齢を一致させた対照群とも比較することを目的としている。2種類の異なる枠組み、すなわち、主として手続と忘却要素(procedural and amnesic components)に関連する側面を分析する自由選択版と、手続きワーキングメモリーから空間ワーキングメモリーに関連する探索要素(disentangling components)を分析する強制選択版が実施された。評価の結果、ウィリアムズ症候群被験者においては空間メモリープロセスと同様に、手続的要素の獲得にも障害があることが判明した。自由選択枠組みにおいて、分析したすべての特性値に関してウィリアムズ症候群被験者の成績は対照群より劣っていた。すなわち、課題を完了するまでの時間が長い、すべての報酬を入手できない、正しく訪問した割合が低く空間範囲が狭い、最も効果的な探索戦略を使うことが少ない、などである。強制選択枠組みにおいてでさえ、ウィリアムズ症候群被験者は対照群に比べて犯した間違いの数が有意に多い。空間情報処理の顕著な障害に関して、ウィリアムズ症候群被験者について報告されている神経解剖学的変異の観点から検討を行う。
(2009年5月)
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