見方が違う:ウィリアムズ症候群と自閉症における社会的場面の知覚



Viewing it differently: social scene perception in Williams syndrome and autism.

Riby DM, Hancock PJ.
School of Psychology, Newcastle University, United Kingdom. D.M.Riby@newcastle.ac.uk
Neuropsychologia. 2008 Sep;46(11):2855-60. Epub 2008 May 14.

遺伝性疾患であるウィリアムズ症候群(WS)には、社会的刺激と人との交流に対する衝動性が伴う。逆に、神経発達障害である自閉症は、社会的引きこもり(social withdrawal)と社会的関連情報への興味の欠如により特徴付けられる。視線追跡技法を用いて、我々は異なった社会的特徴と関連しているこれら二つの神経発達障害を持った人たちが人を含む景色をどのように見ているのか調査した。これらの障害を持った人たちがどのように社会的刺激を見ているかを調査することで、問題のない社会的交流やコミュニケーションはいかに行われるのかについて何らかの示唆を得られるかもしれない。社会的交流場面の静止画を見る時に、自閉症患者は定型発達者が人や顔を見るよりもより少ない時間しか見ず、一方でWS患者は過剰な焦点が目に注がれ、反対の特徴を示した。結果は、自閉症に付随する社会的障害に注意が向けられてきたことと同じように、WSにおける非典型的な社会的選好に潜む意味の理解にももっと注意が向けられるべきであることを示唆する

(2009年11月)



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