群集の中にある普通の表情の一つ:ウィリアムズ症候群の子どもは怒り顔をうまく探知できないことの証拠
Just another face in the crowd: Evidence for decreased detection of angry faces in children with Williams syndrome
Andreia Santos, a, , Catarina Silvaa, Delphine Rosseta and Christine Deruellea
a Mediterranean Institute of Cognitive Neuroscience ? CNRS, 31, Chemin Joseph Aiguier, 13402 Marseille cedex 20, France
Neuropsychologia, In Press, Uncorrected Proof, Available online 11 December 2009
社会的脅威を探知することは適応行動を行うために非常に重要である。先行研究において、怒り顔は幸せな顔よりも注意を引きつけ、より効率的に処理されることが判明している。この怒り優先効果は普通に発達した場合にも、そうではない場合にもみられるが、社会的恐怖感覚に乏しく、非典型的な社会性を有しているウィリアムズ症候群患者にも存在するかどうかはわかっていない。本研究では、ウィリアムズ症候群の子どもに2つ,5つ,8つの正解以外の選択肢(それぞれ、幸せな顔と怒り顔)に囲まれた「怒り」と「幸せ」目標を探させた。その成績は精神年齢を一致させた対照群と比較した。その結果、幸せな顔に関してはグループ間で差は無かったが、怒り顔に関するウィリアムズ症候群の成績は、正解以外の選択肢が8つある場合に成績が顕著に低下した。この傾向は対照群にはみられない。このように怒り優先効果がみられないことは、ウィリアムズ症候群において社会的脅威を処理する脳の領野の構造と機能に異常があるという研究結果とよく整合している。
(2009年12月)
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