ウィリアムズ症候群の子ども、母親、同胞における不安障害:不安障害の病因が有する意味
Anxiety Disorders in Children with Williams Syndrome, Their Mothers, and Their Siblings: Implications for the Etiology of Anxiety Disorders.
Leyfer O, Woodruff-Borden J, Mervis CB.
Dept. of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville (now at Center for Anxiety and Related Disorders, Boston University).
J Neurodev Disord. 2009 Mar 1;1(1):4-14.
目的:
ウィリアムズ症候群の子ども、最も年齢が近い同胞、彼らの母親における不安障害の有病率を確認し、このグループの不安症に対する予兆を調べることである。
方法:
結果:
一般集団の子どもと比較してウィリアムズ症候群の子どもは、特定の恐怖症、全般性不安障害(generalized anxiety disorder (GAD))分離不安障害の有病率が有意に高かった。一方、母親は全般性不安障害の有病率が一般集団よりも高いが、その高さはウィリアムズ症候群の子どもの出産以降に発病したことで説明ができる。同胞の有病率は一般集団と変わらなかった。
結論:
今回判明したパターンは、ウィリアムズ症候群領域にあり欠失している遺伝子の存在が不安障害になりやすいかどうか決めていることを示唆している。また、これまでに不安障害との関連が示唆された遺伝子と、ウィリアムズ症候群で欠失している遺伝子との関連も調査する価値がある。
(2010年2月)
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