ウィリアムズ症候群における親和動因行動:社会的認知と実生活における社会的行動



Affiliative Behavior in Williams Syndrome: Social Perception and Real-life Social Behavior.

Jrvinen-Pasley A, Adolphs R, Yam A, Hill KJ, Grichanik M, Reilly J, Mills D, Reiss AL, Korenberg JR, Bellugi U.
The Salk Institute for Biological Studies, La Jolla, CA.
Neuropsychologia. 2010 Apr 9. [Epub ahead of print]

よく記述されてはいるが、その多くが逸話的な観察に留まっているウィリアムズ症候群の行動の一つに、見知らぬ他人に近づいていく傾向が高いことがあるが、その行動の基盤的原因は明らかになっていない。我々は感情識別能力と親和動因行動との関連を、ウィリアムズ症候群の被験者について調査し標準的発達をした対照群と比較した。表情別の接近行動に関する自己評価と、両親などによる実生活面での評価の両面から社会的行動を定量化した。標準的な人と比較して、ウィリアムズ症候群の被験者は他の人より社会的であり、感情識別に障害があり、見知らぬ他人の表情を接近しやすい方向に受け取る傾向がある。ウィリアムズ症候群において、見知らぬ他人に近づきたいという自己評価が高いことは、感情識別能力に劣っていることと関連があり、この二つの発見には因果関係があると思われる。ウィリアムズ症候群の実生活における過剰社会性は、行動レベルの全体的なバイアスによるのではなく、少なくとも他人の表情に対する認知処理異常に起因して引き起こされている仮説を我々は提案する。この点に関して統計的に有意ではないものの、ウィリアムズ症候群において他人への接近行動が増加している原因のひとつとして、社会的認知能力の障害が影響していることの予備的証拠を提示している。

(2010年4月)



目次に戻る