ウィリアムズ症候群における聴覚野の容積と音楽的能力



Auditory Cortical Volumes and Musical Ability in Williams Syndrome.

Martens MA, Reutens DC, Wilson SJ.
Department of Psychology, The Ohio State University, Newark, OH, USA; Nisonger Center, The Ohio State University, Columbus, OH, USA; Psychological Sciences, The University of Melbourne, Parkville, VIC, Australia.
Neuropsychologia. 2010 May 7.

ウィリアムズ症候群の人は音楽性の面に関連がある聴覚野の形態に異常がある。ウィリアムズ症候群の人の中には知的発達が遅れているにも関わらず音楽的能力が特異的に優れている者がいる。ウィリアムズ症候群患者25人と対照群25人の一次聴覚野と側頭平面の容積を手作業で測定するとともに音楽的能力を検査した。ウィリアムズ症候群被験者は対照群に比べて右左両方の側頭平面容積が有意に大きい一方、両者の間で、側頭平面の容積の左右差と一次聴覚野の容積には有意差はなかった。左側頭平面の容積はウィリアムズ症候群被験者のうち音楽的能力に優れているサブグループが、残りにグループよりより大きくなっており、音楽的能力の成績との間に高度の相関がみられた。これらの発見はウィリアムズ症候群患者の音楽的能力の差異は左一次聴覚野の容積の変動との間にある程度の相関がある可能性を示唆しており、同症候群における認知能力や神経解剖学的な不均一性のさらなる原因につながる可能性がある。

(2010年5月)



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