ウィリアムズ症候群患者の実行機能
Executive functions in individuals with Williams syndrome.
Menghini D, Addona F, Costanzo F, Vicari S.
Children's Hospital Bambino Gesu, Rome, Italy.
J Intellect Disabil Res. 2010 May;54(5):418-32. Epub 2010 Apr 14.
背景:
この研究はウィリアムズ症候群患者の作動記憶(ワーキングメモリー)と実行機能能力を調査し、精神年齢が一致する正常に発達した子どもと比較することを目的としている。
手法:
研究目的を達成するために、作動記憶を始めとして注意・記憶・計画・類別・転換(shifting)・抑制能力などに触れるかなりの量の試験を、ウィリアムズ症候群患者15人(平均暦年齢19.11歳、平均精神年齢6.10歳)と、正常に発達した子ども15人(平均暦年齢7.6歳、平均精神年齢6.9歳)に対して実施した。
結果:
ウィリアムズ症候群の被験者は、言語様相でも視空間様相のどちらでも選択注意や注意維持、短期記憶と作動記憶、計画と抑制に障害を示した。しかし、類別と転換の能力に関しては、言語依存課題の場合は比較的障害を感じさせない成績であった。
結論:
これらの発見は、ウィリアムズ症候群の特異な認知発達の特定の定性的側面に関する我々の知識とともに、最終的な臨床的意義を高める。
(2010年6月)
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