自閉症とウィリアムズ症候群における言語に関連した脳活動の対照的なパターン
Contrasting patterns of language-associated brain activity in autism and Williams syndrome.
Fishman I, Yam A, Bellugi U, Lincoln A, Mills D.
Laboratory for Cognitive Neuroscience, The Salk Institute for Biological Studies, 10010 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037-1099, USA. ifishman@salk.edu.
Soc Cogn Affect Neurosci. 2010 Aug 27
2種類の神経発達障害であるウィリアムズ症候群と自閉症は、対極にある社会性プロファイルを有すると一般的に言われている。自閉症における社会性の回避とウィリアムズ症候群患者における超社会性である。本研究の目的はこれら2種類の集団における言語処理に関連する脳活動の対比であり、両症候群を分けている言語利用と社会性軸間の相互関連性を理解することを目的としている。この目的を実現するために、事象関連電位のN400要素を利用して両集団の意味統合処理を定量化した。その結果、ウィリアムズ症候群患者は、正常な対照群や自閉症グループと比較してN400効果が有意に大きく、一方で自閉症グループは最小値を示した。この発見はウィリアムズ症候群と自閉症における言語処理に対する神経の関与プロフィールが対極にあることを示しており、これは両グループの社会的表現型を反映している。
(2010年9月)
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