注意欠陥多動性障害とウィリアムズ症候群:共通する行動的・神経心理学的プロフィール
Attention-deficit/hyperactivity disorder and Williams syndrome: Shared behavioral and neuropsychological profiles.
Rhodes SM, Riby DM, Matthews K, Coghill DR.
Department of Psychology, University of Strathclyde, Glasgow, UK.
J Clin Exp Neuropsychol. 2010 Aug 9:1-10. [Epub ahead of print]
言語面で条件を一致させた注意欠陥多動性障害(ADHD)、ウィリアムズ症候群、正常に発達した人(各グループ19人)に対して行動徴候(コナーズADHD評価尺度)と神経心理学的機能を比較した。神経心理学的課題には、CANTAB(ケンブリッジ神経心理学的自動試験:Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery)から短期記憶と実行機能を検査するテストが含まれている。ウィリアムズ症候群の子どもは、コナーズ対立性(Conners Oppositionality)、認知障害/不注意、多動、ADHD指標下位尺度などにおいて異常と判定される範囲にあり、ADHDの子どもが示す重症度と差は見られない。ウィリアムズ症候群とADHDのグループは神経心理学的機能のパターン、すなわち作動記憶(working memory)戦略の使用方法や短期記憶の遅滞などが共通している。この知見は、ウィリアムズ症候群の患者に対する治療指針に関して重要な意味を持つ可能性があり、ADHDの子どもに対して有効性が認められている治療を、ウィリアムズ症候群の行動面・教育面・薬理面の戦略と治療に利用できるという可能性がある
(2010年10月)
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