ウィリアムズ症候群における脳の異常と認知プロフィールの関連



Relationship Between Brain Abnormalities and Cognitive Profile in Williams Syndrome.

Menghini D, Di Paola M, Federico F, Vicari S, Petrosini L, Caltagirone C,Bozzali M.
Child Neuropsychiatry Unit, Department of Neuroscience, I.R.C.C.S, Children's Hospital "Bambino Gesu", Piazza Sant'Onofrio 4, 00165, Rome, Italy, menghinideny@gmail.com.
Behav Genet. 2010 Dec 10. [Epub ahead of print]

これまでの研究ではウィリアムズ症候群における脳の異常が報告されているケースにおいて矛盾した結果がみられる。これは脳器官の解剖学的部位の変異という観点において臨床的かつ行動的な不確実性があることが原因だと解釈されている。本研究ではボクセルベースの形態計測法を用いて、部位別の灰白質密度分布を調査してウィリアムズ症候群患者の個人別神経心理学的プロフィールの指標とした。灰白質マップは対照群に比べて成績が劣るウィリアムズ症候群患者の神経心理学的測定値とも回帰分析が行われた。検査結果によれば、両側小脳、右補足運動野、右紡錘回の部分的灰白質密度と形態統語能力の間に関連があることが示された。同様な関連は、視空間機能や視覚運動機能と左小脳、左頭頂葉、右上前頭回と左前頭眼窩回における灰白質密度との間にもみられた。本研究はウィリアムズ症候群にある特定の認知障害の基盤をなす解剖学的基質を明らかにする可能性を秘めている。

(2011年2月)



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