ウィリアムズ症候群における眼窩前頭の活性化と超社会性に関する予備的研究
A preliminary study of orbitofrontal activation and hypersociability in Williams Syndrome
三村 將, Hoeft F, Kato M, Kobayashi N, Sheau K, Piggot J, Mills D, Galaburda A, Korenberg JR, Bellugi U, Reiss AL.
昭和大学医学部精神医学教室;
Center for Interdisciplinary Brain Sciences Research (CIBSR), Stanford University, School of Medicine, Stanford, CA, USA.
J Neurodev Disord. 2010 Jan 26;2(2):93-98.
ウィリアムズ症候群患者は異常なほど前向きな社会的バイアスを呈する。しかし、この超社会性の神経的基質、例えば前向きな特性バイアスや社会的相互作用への過度の傾倒などは未だに完全には解明されていない。
手法:
ウィリアムズ症候群被験者と正常に発達した対照群に対して肯定的および否定的な情動を表現した顔を見せながら事象関連機能MRI研究を行った。正常に発達した対照群と比較してウィリアムズ症候群は否定的な顔を見せた場合は右扁桃体活性化のレベルが低く、これまでの文献で指摘されたとおりであった。さらに、ウィリアムズ症候群では右眼窩前頭皮質の活性化パターンが独特であった。正常に発達した対照群は肯定を提示した場合は内側眼窩前頭皮質が活性化し、否定の場合は外側眼窩前頭皮質が活性化したのに対し、ウィリアムズ症候群は逆のパターンを示した。眼窩前頭皮質における報酬/罰プロセスにおける内側/外側勾配に関する一般的な知見に照らしてみると、これらの発見は、ウィリアムズ症候群の前向きな特性バイアスや超社会性との関連や付加的な生物学的説明を与える。
(2011年2月)
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