ウィリアムズ症候群の双子における空間視能力と言語能力



Visuo-spatial and linguistic abilities in a twin with Williams syndrome.

Volterra V, Longobardi E, Pezzini G, Vicari S, Antenore C
Institute of Psychology CNR, Rome, Italy. direz@kant.irmkant.rm.cnr.it
J Intellect Disabil Res 1999 Aug;43 (Pt 4):294-305

本論文は、ウィリアムズ症候群の男児と正常な発達を見せる女児のニ卵生双生児の事例を 報告し、2人の神経心理学的プロフィールを比較する。著者達の目的はウィリアムズ症候 群を持つ子供が本症候群特有の認知プロフィールを示すかどうかを確認する事である。両 児が10.9才の時点で、空間認知・空間運動・言語・記憶の各能力を調べる為の複数の検査 が行われた。ウィリアムズ症候群の少年は、妹に比べて非言語性能力・言語性能力の両面 で同程度の発達の遅れが見られた。彼は顔認識・音素的単語発音・音素的類似単語記憶に おいてのみ、妹と同等の能力を示した。さらに、少年には全体的な発達遅滞はあるものの、 双子両名とも語彙理解が得意で、空間運動能力が比較的不得意であるという特徴をもつ認 知プロフィールを示した。

(1999年9月)

目次に戻る