ウィリアムズ症候群では聴覚過敏の重症度が会話認知における個人差を予見させる
Severity of hyperacusis predicts individual differences in speech perception in Williams Syndrome.
Elsabbagh M, Cohen H, Cohen M, Rosen S, Karmiloff-Smith A.
Centre for Brain and Cognitive Development, Birkbeck, University of London, London, UK Cognitive Neuroscience Center, University of Quebec at Montreal, Montreal, Quebec, Canada Department of Speech, Hearing and Phonetic Sciences, UCL, London, UK.
J Intellect Disabil Res. 2011 Jun;55(6):563-71. doi:
10.1111/j.1365-2788.2011.01411.x. Epub 2011 Mar 15.
背景:
ウィリアムズ症候群は遺伝子起因による神経発達障害であり、言語は比較的熟練度が高い一方で他の領域では重度の障害があることが特徴である。ウィリアムズ症候群患者は聴覚過敏といわれる音に対する異常な感受性を示す。
手法:
本研究では、ウィリアムズ症候群の子どもや大人について聴覚過敏がどの程度会話認知に影響を与えているかを調査した。被験者は連続音の中に含まれる子音だけが異なる単語を、その子音が埋め込まれた背景雑音の中で識別することを求められる。
結果:
雑音の導入はウィリアムズ症候群でも対照群でも同じように連続子音識別課題の成績に影響を与えるが、ウィリアムズ症候群グループにおいては聴覚過敏の重症度が有意に会話認知の個人差を予見できる。これらの結果は重症度の変化がウィリアムズ症候群における異常な言語発達経路を調停し、聴覚過敏はそれ以外の非聴覚要素と共に重要な影響を及ぼしていることを示している。
(2011年5月)
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