言語と社会性:ウィリアムズ症候群からの洞察



Language and sociability: insights from Williams syndrome.

Fishman I, Yam A, Bellugi U, Mills D.
Laboratory for Cognitive Neuroscience, The Salk Institute for Biological Studies, 10010 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA, 92037-1099, USA,
ifishman@mail.usf.edu.
J Neurodev Disord. 2011 Jun 14. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群のもっとも明白な特徴の一つとして過度の社会性が数多く報告されおり、同時に比較的熟達した発話言語と、それとは際立って対照的な知的および非言語障害を伴う。ウィリアムズ症候群にみられる独特な言語能力は他者とのかかわりやコミュニケーションを求めることとかかわりがあると考えられており、ウィリアムズ症候群についての数多くの文献に記録されている。それにもかかわらず、この命題はいまだに実験的に調査されたことがない。本研究は脳の言語処理指標と顔に対する接近性の判断(社会性を示す代理指標として)との間の関連を、ウィリアムズ症候群患者と正常な対照群に対して調査する。調査結果によれば、ウィリアムズ症候群患者においては2つの指標間に有意で実質的な相関がみられるのに対し、対照群ではみられなかった。つまりこれまで確認されてこなかった記述、すなわちウィリアムズ症候群における言語が社会的表現の駆動力と独特の関連を有している仮説を支持している。

(2011年7月)



目次に戻る