ウィリアムズ症候群のギリシャ人幼児における行動特性と母親のストレス
Behavioural profile and maternal stress in Greek young children with Williams syndrome.
Papaeliou C, Polemikos N, Fryssira E, Kodakos A, Kaila M, Yiota X, Benaveli E, Michaelides C, Stroggilos V, Vrettopoulou M.
Department of Preschool Education and of The Educational Planning, University of The Aegean, Rhodes, Dodecanese Department of Medicine, University of Athens
Department of Philosophy, Psychology and Education, University of Athens
Department of Experimental Special Education School, University of Athens, Athens
Department of Preschool Education, University of Thessali, Volos, Thessalia, and
Department of Psychology, Panteion Univeristy of Social and Political Sciences,Athens, Greece.
Child Care Health Dev. 2011 Sep 27. doi: 10.1111/j.1365-2214.2011.01306.x. [Epub ahead of print]
背景:
ウィリアムズ症候群は知的障害をひきおこす遺伝子病である。ウィリアムズ症候群の子どもは様々な不適応行動をしめすことが多く、それが彼らの社会的機能に影響を与えている。このような行動が症候群特有かどうかを確認するために、ウィリアムズ症候群の子どもを他の症候群の子どもと比較することが必要であるとともに、様々な文化圏におけるウィリアムズ症候群の子どもの社会-情動特性に関するデータを提供する。本研究はギリシャ人のウィリアムズ症候群の幼児における行動特性と母親のストレスとの関連を調査し、ダウン症候群および正常に発達したこどもと比べた。
手法:
参加者は母親60人、両症候群患者20人ずつと対照群20人である。3つのグループは精神年齢を合わせた。被験者の行動特性はこども行動調査票(Child Behaviour Checklist)(1歳半から5歳用)を利用して調査し、母親のストレスは親ストレス指標で調べた。
結果:
他の文化圏の調査結果と同じように、ウィリアムズ症候群の幼児は情動問題や不安・抑鬱傾向を示す割合が、ダウン症候群や清浄な子供に比べて有意に高いことが判明した。さらに、ウィリアムズ症候群の子どもの母親はダウン症候群の子どもの母親と比較して総合ストレス指数が優位に高いことが報告された。しかし、以前の研究と比較して、ウィリアムズ症候群の子どもの25%だけがこども行動調査票の臨床異常範囲に入っていた。
結論:
ウィリアムズ症候群の子どもの社会-情動特性が文化圏や発達段階の違いにかかわらず一致していることは、遺伝子の表現型の影響が強いことを示唆している。一方で、ギリシャ人の母親はこれらの行動を病気のせいだとは考えていない。これらの発見の臨床対応における意味を議論する。
(2011年10月)
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