ウィリアムズ症候群成人の精神衛生に関する調査レポート
Examining reports of mental health in adults with Williams syndrome.
Stinton C, Tomlinson K, Estes Z.
Cerebra Centre for Neurodevelopmental Disorders, School of Psychology, University of Birmingham, Birmingham B15 2TT, UK.
Res Dev Disabil. 2012 Jan;33(1):144-52. Epub 2011 Oct 4.
先行研究によればウィリアムズ症候群の患者は不安傾向があると指摘されている。これらは主に両親や世話人からもたらされる情報による。ウィリアムズ症候群患者の全体感はこの性質の研究に含まれることはほとんど無い。我々は19人のウィリアムズ症候群成人の精神衛生を直接法(精神医学的面接)および間接法(改定版STROOP課題)による検査で調査し、精神医学的症状に関して情報提供者(両親/世話人)と回答者(ウィリアムズ症候群成人)の報告を比較した。情報提供者と回答者の両方とも、うつ傾向(n=2)より不安(n=7-9)の症状を多く報告した。精神医学的な問題症状に関する報告は情報提供者と回答者の間で強い正の相関が見られた。情報提供者に比べて回答者の報告のほうが症状の全体数が優位に多く、不安に関する症状も少し多い。STROOP課題の結果は、ウィリアムズ症候群成人はうつ傾向に関連する単語に比べて不安に関する単語をより警戒していることを示している。ウィリアムズ症候群成人は自分自身の精神衛生に関しては信頼にたる情報を提供しており、この結果は不安が本症候群の行動表現型の一部を構成している証拠である。
(2011年11月)
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