ウィリアムズ症候群患者の気道管理
Airway management in a patient with Williams syndrome
金谷 明浩、安田 忠伸、小島 晶子、最首 俊夫、Kurosawa S.
みやぎ県南中核病院 麻酔科
麻酔. 第60巻第10号(2011年10月号):1176-9.
ウィリアムズ症候群は、大動脈弁上狭窄症(SAS)、精神遅滞、妖精様顔貌の3徴候が特徴である。特徴的な顔面特徴からウィリアムズ症候群患者には気道困難が予想される。26歳のウィリアムズ症候群女性が全身麻酔下で腹部筋腫切除術を受けることになった。小顎症、下顎骨の後方圧迫、Mallampati分類3度を原因としてマスクによる換気や気管挿管が困難であることが予期された。 導入麻酔の前に患者に100%酸素を3分間呼吸させた。麻酔はプロポフォール、レミフェンタニル、臭化ロクロニウムで導入および維持された。マスク換気の実施は容易であった。喉頭鏡検査の結果はCormackグレード1であり気管挿管に問題はなかった。麻酔導入後、麻酔経過に問題は発生しなかった。これまで発表された日本のウィリアムズ症候群患者に関する臨床報告によれば、術前の気道評価結果に反してマスク換気や気管挿管は容易に実施されている。これまでに発表された大動脈弁上狭窄症、精神遅滞、気道奇形、気道結果などの臨床報告を見る限り、我々はウィリアムズ症候群患者の気道管理については最善の戦略を選択すべきである。
(2011年12月)
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