認知容量の動的発達に関する概観:ウィリアムズ症候群からもたらされた洞察
Perspectives on the dynamic development of cognitive capacities: insights from Williams syndrome.
Karmiloff-Smith A.
Birkbeck Centre for Brain & Cognitive Development, University of London, London, UK.
Curr Opin Neurol. 2012 Feb 8. [Epub ahead of print]
概説の目的:
本論文は、神経発達障害に対する静的なアプローチと領域特異的モジュールが無傷であるか障害を受けているかを探索する方法から、領域間相互作用と発達期間全体を通じた変化を考慮に入れた最新式の動的概観法への変化が進んでいることを確認する。
最近の発見:
静的対動的概観を立証する、社会的認知に関する最新の研究をカバーする、空間認知、神経発達疾患における記憶の整理統合への睡眠の効果、仮説を基にした症候群間比較などを利用して、ウィリアムズ症候群に関する研究をモデルとする。これまで無傷だと考えられていた領域の多くにかすかな障害があること、特に乳幼児期発達初期の領域間相互作用に障害が潜んでいる。今までに検査をおこなったすべての症候群で睡眠構造が異常であり、学習に悪影響を与えていることが発見されている。これはその後の認知発達に影響を与えると思われる睡眠介入に道を開くものである。
要約:
単に典型的な発達における症候群間の差異や比較だけではなく症候群間の関連性が理論や研究を進めることに意義があることが示された。これらの比較から臨床的介入戦略は発達軌跡のできるだけ早い時期から症候群特有の改善を目的とするべきであることが明らかになった。
(2012年2月)
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