ウィリアムズ症候群における聴覚面の発見:患者69人の研究



Audiological findings in Williams syndrome: A study of 69 patients.

Barozzi S, Soi D, Comiotto E, Borghi A, Gavioli C, Spreafico E, Gagliardi C, Selicorni A, Forti S, Ambrosetti U, Cesarani A, Brambilla D.
Audiologic Unit, Department of Specialized Surgical Sciences, University of Milan, Fondazione IRCCS Ca' Granda, Ospedale Maggiore Policlinico, Milano, Italy. stefania.barozzi@unimi.it.
Am J Med Genet A. 2012 Mar 12. doi: 10.1002/ajmg.a.35241. [Epub ahead of print]

本研究の目的はウィリアムズ症候群患者グループの臨床現場における聴覚機能の調査である。年連2歳から30歳のウィリアムズ症候群患者69人は、空気伝導および骨伝導行動聴力検査、会話聴力検査、鼓膜聴力検査および聴力反射測定、過渡的耳音響放射誘起、脳幹聴覚反射誘起などを含む包括的な聴覚検査を受けた。伝統的な聴覚検査を受けた患者の22.6%が15dB HL以上の純音で定義される難聴であったが、大部分は軽度であった。難聴は患者の9.4%が伝導性で、滲出性中耳炎の子どもが大部分である。一方で感音性は患者の13.2%だった。しかし、聴覚研究対象の患者の30%は高周波数域(15dB HL以上の高周波数純音聴力検査)で難聴であり、若年層(23.45%)に比べて15歳より年齢が高い層(46.15%)で罹患率が高い。対側性あぶみ骨反射はAタイプのティンパノグラム(tympanograms)患者の全員にみられた。過渡的耳音響放射誘起は聴覚が正常な患者の耳の44%には存在しない。脳幹聴覚反射誘起は正常範囲に入っているが、これは後迷路性障害がないことが確認された。難聴の発生頻度は高くないが、蝸牛の脆弱性、特に高周波数領域で検知されており、ウィリアムズ症候群の外有毛細胞に関連がある。このように、ウィリアムズ症候群患者には年に一度聴覚検査と耳音響反射を受けることを強く推奨する。この結果、無症候性の蝸牛異常を検知することが可能になり、難聴が発症するより前に聴覚経過観察からメリットを得る可能性がある。

(2012年3月)



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