ウィリアムズ症候群患者に対する抗うつ、抗不安、抗精神病薬投与に関する親からの報告:効果と副作用
Parent report of antidepressant, anxiolytic, and antipsychotic medication use in individuals with Williams syndrome: Effectiveness and adverse effects.
Martens MA, Seyfer DL, Andridge RR, Foster JE, Chowdhury M, McClure KE, Coury DL.
The Nisonger Center, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA;
Department of Psychology, The Ohio State University at Newark, Newark, OH 43055, USA.
Res Dev Disabil. 2012 Jul 7;33(6):2106-2121. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群は神経発達遺伝子病であり、不安症や行動障害がその特徴の一部をなす。我々はウィリアムズ症候群患者に対する抗うつ、抗不安、抗精神病薬投与の効果と副作用を調べた。総計513人の両親や保護者がウィリアムズ症候群を持つ彼らの子どもや成人に対する向精神薬投与に関して質問表に回答した。患者の24%はSSRIを処方されており、12%はそれ以外の抗うつ薬や抗不安薬を処方されていた。全体として回答者の81%がSSRIによる薬物療法は「役に立つ」あるいは「少し役に立つ」と回答し、パロキセチンは最も効果がないと報告している。調査参加者の64%は非SSRI系の抗うつ薬や抗不安薬が、不安症に対して「役に立つ」あるいは「少し役に立つ」と回答した。抗うつ薬や抗不安薬の副作用は本来的には神経学的であることが典型例である。調査参加者の10%は抗精神病薬を投与されていて、アリピプラゾールに比べてリスペリドンやクエチアピンのほうが効果があると報告した。薬物療法の効果はセロトニンレベルの影響に関連している可能性がある。これらの報告はウィリアムズ症候群患者の生活の質を改善するために薬物療法を用いるためには更なる研究が必要であることを示唆している。
(2012年7月)
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