自閉症スペクトラム障害とウィリアムズ症候群の社会的表現型:類似点と相違点
Social phenotypes of autism spectrum disorders and williams syndrome:similarities and differences.
浅田晃佑、板倉昭二
同志社大学大学院心理学研究科赤ちゃん学研究センタ
Front Psychol. 2012;3:247. Epub 2012 Jul 30.
自閉症スペクトラム障害とウィリアムズ症候群は両方とも神経発達障害であり、それぞれ独特の社会的表現型を有している。このレビュー論文は自閉症スペクトラム障害とウィリアムズ症候群の間の社会的表現型の類似点と相違点を定義することを目的としている。自閉症診断観察尺度(ADOS:Autism Diagnostic Observation Schedule)のような診断評価方法を使ってウィリアムズ症候群患者を調査した研究、症候群間の直接比較研究、どちらかの障害を有する個人に関する研究などをレビューした。結論として、(1)これらの症候群の患者は顔認識(顔や眼はの好み)においては非常に対照的な表現型を示す、(2)実用的言語能力に関する自閉症診断観察尺度や直接比較研究の結果からは自閉症スペクトラム障害のほうが重度の障害を有しており、ウィリアムズ症候群患者は社会的認知やコミュニケーション能力に関しては同程度の障害があった。これらの結果に照らして、自閉症スペクトラム障害とウィリアムズ症候群の症候群間比較研究が発達理論、認知神経科学、論証治療の発達や選択などにどのように貢献しているかを議論する。
(2012年9月)
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