ウィリアムズ症候群において自律神経系の感受性は、社会性−非社会性領域間にわたって視覚および聴覚に影響に及ぼす



Sensitivity of the autonomic nervous system to visual and auditory affect across social and non-social domains in williams syndrome.

Jarvinen A, Dering B, Neumann D, Ng R, Crivelli D, Grichanik M, Korenberg JR, Bellugi U
Laboratory for Cognitive Neuroscience, The Salk Institute for Biological Studies La Jolla, CA, USA ; Brain and Mind Laboratory, Department of Biomedical Engineering and Computational Science, Aalto University School of Science Espoo, Finland.
Front Psychol. 2012;3:343. doi: 10.3389/fpsyg.2012.00343. Epub 2012 Sep 14.

ウィリアムズ症候群の患者は典型的に社会的刺激への好みが増進していることを示すが、彼らの社会的プロフィールは、不安症と結合した社会的に恐れをしらない行動、能力の山と谷を含む特徴的なパターンなどの解離がみられる。本研究の目的は、ウィリアムズ症候群と正常に発達した正常群に対して視覚的、言語的に与えられた社会的および非社会的感情刺激の処理を、行動面と自律神経系の反応に関して比較することであり、ウィリアムズ症候群について記述されている高度に社会的で感情的な感受性が高い素因の解明することも考えている。行動面の発見は、これまでの研究で指摘されているウィリアムズ症候群患者が社会的・非社会的刺激を処理する能力が高いことを支持している。しかし、行動的能力の基礎となる自律神経系機能のパターンは、これまでにウィリアムズ症候群に関して記載されてこなかった驚くべきプロフィールを示していた。詳しく述べると、心拍数反応の亢進、慣れに対する皮膚電位活動が見られないことがウィリアムズ症候群のグループで見つかっており、正常群とは対比を示す。これは主として視覚的社会的感情刺激への反応でみられた。聴覚領域では、ウィリアムズ症候群グループにおいて音楽的刺激に対する関連するテストでは、心拍期間の変異と関連する覚醒の亢進が観察された。これらを合わせて考えると、今回得られた知見はウィリアムズ症候群の自律神経系の反応は、顔や音楽的刺激に対する覚醒が亢進することの基盤としてこれらの刺激に対する行動的情動性が亢進していることなど、これまで記述されてきた内容より複雑であることを示唆している。慣れがみられないことは、ウィリアムズ症候群における親和欲求の亢進や顔の特徴にひきつけられていることが基礎に存在している可能性がある。今後の研究の方向性を示唆する。

(2012年10月)



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