ウィリアムズ症候群における特異的部分の容積が増大した扁桃体:表面基礎モデルからの証拠
Regionally specific increased volume of the amygdala in Williams syndrome:Evidence from surface-based modeling.
Haas BW, Sheau K, Kelley RG, Thompson PM, Reiss AL.
Center for Interdisciplinary Brain Sciences Research (CIBSR), Stanford University School of Medicine, Palo Alto, California; Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Stanford University School of Medicine, Palo Alto, California; Department of Psychology, University of Georgia, Athens, Georgia.
Hum Brain Mapp. 2012 Nov 14. doi: 10.1002/hbm.22219.
ウィリアムズ症候群は7番染色体からおよそ26-28個の遺伝子が連続して欠失したことを原因とする疾患で、社会的および感情的プロセスの異常、扁桃体の構造と機能の異常を特徴とする。これまでの先行研究からウィリアムズ症候群においては扁桃体が幾分大きくなっていることが示されているが、同症候群において容積が増大した扁桃体内の領域的特徴はほとんどわかっていない。本研究ではウィリアムズ症候群における扁桃体の構造的変異の領域的特徴を調査し、正常に発達した対照群と比較した。我々は79人の被験者(ウィリアムズ症候群39人、対照群40人)から高解像度脳MRIデータを収集し、表面基礎分析モデル手法を用いた。ウィリアムズ症候群グループは対照群と比較して、扁桃体の特定の表面部分の半径方向の膨張部(radial expansion)が拡張している部分が数か所見られたが、扁桃体表面の半径方向の膨張部が減少している部分はみられない。ウィリアムズ症候群において半径方向の膨張の拡張を示している領域は、両側の後頭皮質神経核、側性神経核、中央神経核を含む。ウィリアムズ症候群におけるこの拡張領域と解剖学的にみて変異した扁桃体構造は、社会的および感情的は機能を司る脳領域の発達に対する遺伝子的リスクに関連するモデル構築に貢献する。
(2012年11月)
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