ウィリアムズ症候群の社会的表現型
The social phenotype of Williams syndrome.
Jarvinen A, Korenberg JR, Bellugi U.
Laboratory for Cognitive Neuroscience, the Salk Institute for Biological Studies, La Jolla, CA, USA; Brain and Mind Laboratory, Department of Biomedical Engineering and Computational Science, Aalto University School of Science, Espoo, Finland.
Curr Opin Neurobiol. 2013 Jan 15. pii: S0959-4388(12)00195-X. doi:
10.1016/j.conb.2012.12.006. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群は、遺伝子的基礎がきちんと定義されていることとユニークな表現型が向社会的行動次元を反映していることから社会的神経科学における注目すべきモデルを提供している。ウィリアムズ症候群は見知らぬ人に近づいていく傾向、社交的な性格、社会的関係を望む傾向が高いにも関わらず相互作用には困難があること、非社会的不安が強いこと、良い出来事に対するバイアスが非常に強いこと、恐怖の感受性が消失していることなどを合併する。新たに見つかった神経生物学的証拠によれば、社会脳(扁桃体、紡錘状顔認識部位、眼窩前頭部)の構造・機能・神経接続状態が変化していることを示唆している。最近の遺伝子研究からは、ウィリアムズ症候群領域の遺伝子ネットワークが向社会性神経ペプチドの調節不全に関連していることを示している。ウィリアムズ症候群を研究することはヒトの社会的発達を理解することにつながり、遺伝子および神経内分泌に関する証拠を社会的行動障害の治療に変換するためのヒントを提供できる可能性がある。
(2013年2月)
目次に戻る