ウィリアムズ症候群患者における注意欠陥多動性障害の薬物療法に関する介護者調査
Caregiver survey of pharmacotherapy to treat attention deficit/hyperactivity disorder in individuals with Williams syndrome.
Martens MA, Seyfer DL, Andridge RR, Foster JE, McClure KE, Coury DL.
The Nisonger Center, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA; Department of Psychology, The Ohio State University at Newark, Newark, OH 43055, USA. Electronic address: martens.22@osu.edu.
Res Dev Disabil. 2013 Mar 11;34(5):1700-1709. doi: 10.1016/j.ridd.2013.02.015.
ウィリアムズ症候群は遺伝子病であり、注意欠陥多動性障害(ADHD)の発生率が高まるなど独特な神経認知および行動プロフィールが特徴である。本研究の目的は、ウィリアムズ症候群患者のADHDを治療(メチルフェニデート類、アンフェタミン類、アトモキセチン)するために用いられる薬物療法において認められた有用性と副作用を調査することである。ウィリアムズ症候群協会を通して行われた両親・介護者への調査によって実施された。512人の両親・介護者が子どものADHD薬物療法に関する調査に回答を寄せた。患者の27%がADHDにお対して薬物療法を処方されており、最も多いのはメチルフェニデート類の薬物であった。メチルフェニデート類の薬剤の中ではOROSメチルフェニデートが最も有用であると報告されており、74%が少なくとも何らかの効果があると報告している。調査への参加者の報告によれば、正常に発達した対照群と同じだがその程度が重い副作用がある。いらいらがADHD薬物治療におけるもっとも共通して認められた副作用である(38%)。患者は循環器症状の有無に応じて覚醒剤治療を用いていた。ADHD薬物治療ユーザの56%が大動脈弁上狭窄症を、36%が肺動脈狭窄症を、25%が全身性高血圧を有していた。ADHD薬物治療を受けている患者は歯科症状を報告する傾向が高い(p=0.004)。これらの知見を検証し、覚醒剤治療の短期的・長期的効果と副作用を調査するためには、さらなる研究が必要である。
(2013年3月)
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