ウィリアムズ症候群に合併した小脳の毛様類粘液性星細胞腫:症例報告
Pilomyxoid astrocytoma of the cerebellum with Williams syndrome: a case report.
Chonan M, 金森 政之, 隈部 俊宏, 齋藤 竜太, Watanabe M, 冨永 悌二.
東北大学大学院医学研究科神経外科学
〒980-8574仙台市青葉区星陵町1-1
Childs Nerv Syst. 2013 Apr 20. [Epub ahead of print]
症例報告:
大動脈弁上狭窄症を合併するウィリアムズ症候群の3歳児が意識障害と2か月間継続する体幹運動失調を主訴として当病院に入院した。中程度のコントラストのT1強調MRIによる検査の結果、右小脳の不均質に増大した腫瘍と重度の水頭症がみられた。患者は後頭下開頭術によって腫瘍切除術を受けた。腫瘍切除術が終わった時点で、ST部分上昇ののち突然心停止に陥った。ただちに心肺蘇生術を行ったが、患者は死亡した。小脳腫瘍の組織学的分析の結果、粘液状基質の上にのった単一型双極紡錘体細胞と、ローゼンタール線維や好酸球顆粒体を有しない血管中心性配列から構成されていることが判明した。最終的な診断は毛様類粘液性星細胞腫であった。
結論:
小脳の毛様類粘液性星細胞腫を合併するウィリアムズ症候群である本症例は、ウィリアムズ症候群における脳腫瘍の発達および、手術中の心停止の発生について調査することの重要性を示唆している。
(2013年4月)
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