家を見回す:ウィリアムズ症候群と正常に発達した被験者における複雑な形状を描く際のモデルに対する注意



Looking around houses: Attention to a model when drawing complex shapes in Williams syndrome and typical development.

Hudson KD, Farran EK.
Department of Psychology and Human Development, Institute of Education, University of London, 26 Woburn Square, London, WC1H 0AA, UK. Electronic address: k.hudson@ioe.ac.uk.
Res Dev Disabil. 2013 Jul 1;34(9):3029-3039. doi: 10.1016/j.ridd.2013.06.024. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群患者が書いた絵は「つながり」がかけている。一般的な仮説としては、全体構成を犠牲にして局所的詳細に過度に注目した結果だといわれている。本研究では、ウィリアムズ症候群における描画においては不十分な注意が背景にあるという新しい仮説を探求する。非言語能力を一致させたウィリアムズ症候群と正常に発達したグループに対して、幾何学的形状で構成された家の絵をコピーしトレースさせた。家の絵はコンピューター画面に5秒間だけ表示され、被験者はキーボードのキーを押すことでモデルを再度見ることができる。キーを押す頻度はモデルを凝視する指数となる。要素の複製順が記録され要素の構成状況を評価することに利用される。モデルに対する注意の欠如が絵を描くことが下手な原因である場合は、コピーを行う際に正常に発達した子供に比べてウィリアムズ症候群の被験者は画面を見る頻度が少ないことが期待される。ウィリアムズ症候群の描画が局所的処理を好む傾向があるとすると、全体的要素よりも局所的要素のほうがより多く生成されるであろう。結果は2番目ではなく1番目の仮説を支持している。ウィリアムズ症候群のグループはモデルを見る頻度が少ないが、局所レベルの詳細を書く位置的手がかりを得るために、局所的部分要素ではなく全体的要素を最初に描き始める。両グループとも部品を描きトレースする際に同じ順序を採用していることから、ウィリアムズ症候群のグループは典型的な戦略を使ってはいるが遅滞があることを示している。さらに両グループともモデルにある大きな要素を小さな要素より先に描き始めており、大きさによるバイアスがあることが示唆されている。

(2013年7月)



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