ウィリアムズ症候群における大きさの表現:時間・空間・数処理毎に異なる鋭敏さ



Magnitude representations in williams syndrome: differential acuity in time, space and number processing.

Rousselle L, Dembour G, Noel MP.
Center of Cognitive Neurosciences, Psychological Sciences Research Institute, Catholic University of Louvain, Louvain-la-Neuve, Belgium.
PLoS One. 2013 Aug 28;8(8):e72621. doi: 10.1371/journal.pone.0072621.

著者の何人かは、大きな数(numerosities)に対するヒトの感受性は、非数的な大きさの処理能力にその基礎があると考えている。本研究では、非数的及び数的両方の大きさの処理の間の発達的相関を、視空間障害や数学に関する学習障害を合併することで知られている遺伝子疾患であるウィリアムズ症候群の患者に対して調査した。ウィリアムズ症候群患者20人と言語及び非言語能力を一致させた正常に発達した対照群に対して、大きな数、長さ、経過時間を比較するための3種類の課題を与えた。ウィリアムズ症候群の被験者は言語能力を一致させた対照群と比べると、大きな数と空間処理に関しては正確さが劣っていた(ウェーバーの法則から明らかとなる)が、時間量に関しては差が見られなかった。このことは、大きさを処理する領域に関して全般的な機能不全が存在するわけでないことを示している。逆に彼らは3種類のどの課題においても、非言語能力を一致させた対照群との間で差異は見られなかった。最後に、相関分析を行ったところ、非数的及び数的な正確性指標はどちらも最初に獲得する数的能力と関連はあるが、後に身に着ける計算技能とは関係がないことが明らかとなった。

(2013年9月)



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