ウィリアムズ症候群と正常に発達した子どもにおけるドットの全体統合



Global dot integration in typically developing children and in Williams Syndrome.

Palomares M, Shannon MT.
Department of Psychology, University of South Carolina, 1512 Pendleton Street, Columbia, SC 29208, United States. Electronic address: mcp@ski.org.
Brain Cogn. 2013 Oct 1;83(3):262-270. doi: 10.1016/j.bandc.2013.09.003.

ウィリアムズ症候群は神経発達障害であり視空間認識や認知に障害を引き起こす。ウィリアムズ症候群は背側経路が脆弱であるという仮説によれば視覚的形状処理より視覚的運動処理のほうが悪影響を受けやすいことが予見される。ウィリアムズ症候群の被験者と正常に発達した子供に対して、静的および動的両状態においてガラスパターンの全体形状を検出するテストを実施し、この仮説の検証を試みた。連続して提示されるガラスパターンは架空の動きを誘発するために動いているように見える。これは向き(形)と方向(動き)の両メカニズム間の相互作用を象徴するようにモデル化されている。もしウィリアムズ症候群の背側経路に脆弱性が存在すれば、実際の動きと架空の動きの処理が非定型的であると思われる。しかし、検査結果によれば、ウィリアムズ症候群の形と動きを統合するメカニズムは機能的な発達が遅れている、あるいは減衰しているという概念と一致した。ウィリアムズ症候群における静的および動的両状態のガラスパターンの形状に対する一貫性の閾値は4〜5歳の子どもの値と同等であり、精神年齢から予測される年齢より若い。ガラスパターンの動的表現は正常な被験者と同じ程度に閾値を改善した。ウィリアムズ症候群における動きの一貫性の閾値は精神年齢を一致させた対照群と同じであった。これらのデータは背側経路の制約に関する仮説を提示しており、発達過程における形と動きの処理の間の関係に関する理解を深める。

(2013年10月)



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