ウィリアムズ症候群における失音楽症と神経との相関
Neural Correlates of Amusia in Williams Syndrome.
Lense MD(1), Dankner N(2), Pryweller JR(3), Thornton-Wells TA(4), Dykens EM(5).
Author information:
(1)Vanderbilt Kennedy Center, Vanderbilt University, Nashville, TN 37203, USA.
(2)Vanderbilt Kennedy Center, Vanderbilt University, Nashville, TN 37203, USA.
(3)Department of Radiological Sciences, St. Jude Children's Research Hospital, Memphis, TN 38105, USA.
(4)Vanderbilt Kennedy Center, Vanderbilt University, Nashville, TN 37203, USA.
(5)Vanderbilt Kennedy Center, Vanderbilt University, Nashville, TN 37203, USA.
Brain Sci. 2014 Nov 21;4(4):594-612.
先天性失音楽症は音程の認識と生成における顕著な障害として定義される。これまで歴史的には、失音楽症以外の点は正常に発達した人々の集団に対してしか調べられてこなかったが、最近、ウィリアムズ症候群(遺伝子的神経発達障害であり、聴覚過敏や音楽に対する感情的反応の亢進があるが、様々な音楽的スキルを有する)で記録されはじめている。現在の研究は構造的T1強調画像MRIと拡散テンソル画像を用いて、17人の失音楽症を有するウィリアムズ症候群患者(内4人は失音楽症の判断基準に合致する)の失音楽症と神経との相関を調査した。正常に発達した失音楽症患者における発見内容と同様に、ウィリアムズ症候群の失音楽症は右上縦束において異方性比率(fractional anisotropy)の減少と関連があった。右上縦束の下方要素における失音楽症と異方性比率との間の相関は特に強固であり、認知機能や聴覚過敏や音楽的訓練などによる補正にも抵抗する。本研究対象の人数は少ないにもかかわらず、この結果は先天性失音楽症における前頭-側頭間の接続の役割に証拠を追加し、発達障害を有する新たな患者集団が音楽行動の基礎をなす遺伝子−脳−行動間の関連を理解するための新たな窓を提供できる可能性を示す。
(2014年11月)
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