ウィリアムズ症候群患者において音楽レッスンは言語記憶を向上させることに関連している



Music lessons are associated with increased verbal memory in individuals with Williams syndrome.

Dunning BA(1), Martens MA(2), Jungers MK(3).
Author information:
(1)The Ohio State University at Newark, 1179 University Dr., Newark, OH 43055, USA.
(2)The Ohio State University at Newark, 1179 University Dr., Newark, OH 43055, USA;
Nisonger Center, The Ohio State University, 1581 Dodd Dr., Columbus, OH 43210, USA.
(3)The Ohio State University at Newark, 1179 University Dr., Newark, OH 43055, USA.
Res Dev Disabil. 2014 Nov 16;36C:565-578. doi: 10.1016/j.ridd.2014.10.032.

ウィリアムズ症候群は遺伝子病であり、知的遅延や音楽への親近感を特徴とする。これまでに、音楽訓練を受けたウィリアムズ症候群患者ではなじみのある音楽によって言語記憶が強化されることが示されている。さらに、なじみのない、あるいは初めて聞く音楽によっても認知想起を改善する可能性を示す証拠もある。本研究は、ウィリアムズ症候群患者にとって初めて聞くメロディが言語記憶能力を強化するかどうかを検査するとともに、この症候群の患者群における音楽訓練の持つ意味を幅広く特徴づけるように設計されている。我々は44人のウィリアムズ症候群患者に対して、動物やそれが属するグループ名を記述した文章を語り、あるいは歌って提示し、その記憶を提示直後と時間をおいた2回にわたって、想起と複数選択肢の両手法でテストした。正規の音楽訓練を受けた患者群(訓練の平均期間は4.5年)は音楽訓練を受けていない患者群と比較して、語るおよび歌うケースの想起可能要素、そして語るケースの複数選択要素の両方とも有意に成績がよかった。音楽療法、音楽の楽しみ、年齢、言語IQは記憶課題の成績に影響を及ぼさない。これらの知見は、正規の音楽訓練がウィリアムズ症候群患者の言語記憶の神経回路に影響を与えている可能性に対して新たな証拠を提示するとともに、正常に発達した集団に見られる状況とも一致している。

(2014年12月)



目次に戻る