共同注意と語彙発達:批判的な見解



Joint Attention and Vocabulary Development: A Critical Look.

Akhtar N(1), Gernsbacher MA(2).
Author information:
(1)University of California. (2)University of Wisconsin-Madison.
Lang Linguist Compass. 2007 May;1(3):195-207.

共同注意とは、親と子どもがお互いや自分たち以外の物体や出来事などに向けて同調させた注意のことであり、初期の言語学習に対して必然的で重要な役割を果たすと信じられている。しかし、従来型の定義と考察によれば、明確な注意の指標だけに依存していて、主として視覚的様相をもとに研究され、文化によって異なっている。さらに、正常な発達、自閉的な発達、ウィリアムズ症候群などにおいては、共同注意がなくても言語学習はおきる。またダウン症候群においてはそれ相応の言語学習がなくても共同注意が発生する。このように、共同注意は語彙習得において必要かつ十分な前駆体であるという仮定は広く普遍的に支持される仮説ではない。

(2014年12月)



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