4種類の神経発生候群が家族にあたえる影響:両親の見解に関する比較研究



The Impact on the Family of Four Neurogenetic Syndromes: A Comparative Study of Parental Views.

Reilly C(1), Murtagh L, Senior J.
Author information:
(1)School of Education, University College Dublin, Belfield, Dublin 4, Ireland, creilly@youngepilepsy.org.uk.
J Genet Couns. 2015 Jan 19. [Epub ahead of print]

神経発生候群の行動表現型に関する研究は主として罹患した子どもの行動面に焦点があてられていた。しかし、神経発生候群の子供を持つことが家族の機能に与える影響は重大であり、かつ症候群ごとに異なっている。脆弱X症候群、プラダー・ウィリー症候群、ウィリアムズ症候群、22q11.2の四種類の神経発生候群のどれかを有する学齢期の子どもを持つ両親(N=381)を対象にして、罹患した子どもを持つことから発生する課題、制限事項、将来への懸念、良い側面について質問した。これらの各側面に関連する要素についてロジスティック回帰分析を用いて分析した。制限事項は脆弱X症候群の両親から最も多く報告された。両親からの制限事項に関する報告に有意(p<.01)に関連する要素は行動や精神的病状の出現、受容的コミュニケーションが低いレベルであることなどである。最も多く見受けられた課題は子どもの学習や社会的スキルにおける困難である。各症候群間にみられた有意(p<.01)な相違は多くの課題として記録された。両親の69%は良い側面として少なくとも一つを挙げていたが、そこで認められた良い側面の大多数は遺伝子症候群間で相違がみられない。行動や精神的病状を有することは、良い側面を挙げる数が少ないことや課題の数が多いことと有意(p<.01)に相関があった。罹患した子どもが家族の機能にどのように影響を及ぼすかに関しては、いくつかの共通点が見られるとともに、症候群間で有意な差異も存在した。罹患者がいる家族へどのようにカウンセリングやサポートを行うかに関して、これらの差異は重要になる可能性がある。行動や精神的病状の出現は各症候群共通に見られる家族のマイナス面を予測する重要な要素である。

(2015年1月)



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