ウィリアムズ症候群におる亢進聴覚過程:聴覚誘発電位から得られた証拠



Hyperactive auditory processing in Williams syndrome: Evidence from auditory evoked potentials.

Zarchi O(1), Avni C, Attias J, Frisch A, Carmel M, Michaelovsky E, Green T, Weizman A, Gothelf D.
Author information:
(1)Behavioral Neurogenetics Center, The Edmond and Lily Safra Children's Hospital, Sheba Medical Center, Tel Hashomer, Israel; Institute for Clinical Neurophysiology and Audiology, Rabin Medical Center and Schneider Children's Medical Center, Petah Tikva, Israel; Sackler Faculty of Medicine, Tel Aviv
University, Tel Aviv, Israel.
Psychophysiology. 2015 Jan 21. doi: 10.1111/psyp.12407. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群における聴覚過敏の基礎となる神経生理学的異常は未だに解明されていない。18人のウィリアムズ症候群患者のP1-N2-P2必須成分とミスマッチ陰性電位反応を検査し、年齢と性別を一致させた正常に発達した18人の対照群の計測値と比較した。その結果、ウィリアムズ症候群被験者におけるP1-N2-P2必須成分とミスマッチ陰性電位反応の両方とも、対照群に比べてウィリアムズ症候群の被験者のほうが有意に振幅が大きいことが判明した。P1-N2-P2成分は対照群におきては年齢に依存した低下がみられるが、ウィリアムズ症候群の被験者には観察されない。さらに、ウィリアムズ症候群では言語理解成績が低いこととP1-N2-P2成分が高いことが関連している。本調査はウィリアムズ症候群において中枢性聴覚処理が亢進していることを示している。必須成分とミスマッチ陰性電位反応の両方で聴覚性脳反応が増加していることはウィリアムズ症候群において聴覚の符号化と弁別の処理が異常であることを示唆している。この結果は聴覚処理が成熟の遅滞やばらつきの影響を受けている可能性を示唆し、ウィリアムズ症候群における高次認知機能の発達にも影響を与えている可能性がある。

(2015年1月)



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