オキシトシン、バソプレシンとウィリアムズ症候群:異常な社会的行動に対するエピジェネティック効果



Oxytocin, vasopressin, and Williams syndrome: epigenetic effects on abnormal social behavior.

Haas BW(1), Smith AK(2).
Author information:
(1)Department of Psychology, University of Georgia, Athens, GA, USA; Interdisciplinary Neuroscience Graduate Program, University of Georgia , Athens, GA, USA.
(2)Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, School of Medicine, Emory University , Atlanta, GA, USA.
Front Genet. 2015 Feb 17;6:28. doi: 10.3389/fgene.2015.00028. eCollection 2015.

ウィリアムズ症候群は染色体領域7q11.23上にある約26個から28個の遺伝子の欠失を原因とする疾患で、異常な社会的行動とオキシトシン及びバソプレシン機能をしばしば伴うことを特徴とする。ウィリアムズ症候群患者がオキシトシン及びバソプレシンの調節異常を呈することが観察されていることは興味深い。現時点ではウィリアムズ症候群で典型的に決している遺伝子のどれかがオキシトシンかバソプレシンに直接影響を与えているという証拠は見つかっていない。本総説ではDNAのメチル化修飾が、最終的にウィリアムズ症候群で観察される社会的行動に影響を与えていると考えられるオキシトシン及びバソプレシン系内にある重要な遺伝子群の発現に対して、どのように影響を与えているかに関する新たなエピジェネティックモデルについて記述する。先行する経験的研究(Henrichsenら, 2011)で得られた蓄積データから、ウィリアムズ症候群においてOXTRが過剰発現していることを示すデータを抜き出した。これらの予備的な発見は、オキシトシン及びバソプレシン系がウィリアムズ症候群やその他の精神的疾患において治療成績を改善するという特定の目的に対して新たな可能性を提供できる可能性がある。

(2015年4月)



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