ウィリアムズ症候群で見られる進路決定能力の障害は後方抑制の障害と関連しているのか?



Are the deficits in navigational abilities present in the Williams syndrome related to deficits in the backward inhibition?

Foti F(1), Sdoia S(2), Menghini D(3), Mandolesi L(4), Vicari S(3), Ferlazzo F(2), Petrosini L(1).
Author information:
(1)Department of Psychology, Sapienza University of Rome Rome, Italy ; IRCCS Fondazione Santa Lucia Rome, Italy.
(2)Department of Psychology, Sapienza University of Rome Rome, Italy.
(3)Child Neuropsychiatry Unit, Department of Neuroscience Bambino Ges? Children's Hospital Rome Italy.
(4)IRCCS Fondazione Santa Lucia Rome, Italy ; Department of Motor Science and Wellness, University of Naples "Parthenope" Naples, Italy.
Front Psychol. 2015 Mar 18;6:287.

ウィリアムズ症候群は言語領域では比較的能力がある一方で視空間能力には重度の障害があるという特徴的なプロフィールを有している。実行系機能の異常と計画能力及び空間的ワーキングメモリーの障害が記述されている。しかし、これまでのところ、ウィリアムズ症候群における進路決定能力における実行系機能の影響はほとんどわかっていない。本研究はウィリアムズ症候群患者における特定の実行系機能、連続的に変化する環境に対して人が柔軟に適応することを可能にさせる後方抑制について分析することを目的としている。ウィリアムズ症候群患者グループと精神年齢と性別を一致させた正常に発達した対照群に対して、処理する際に視空間的あるいは言語的材料を必要とする3種類の課題切替実験(task-switching experiments)を実施した。その結果、ウィリアムズ症候群患者は視空間的課題切替パラダイムにおいては明確に後方抑制の障害を呈し、言語的課題切替パラダイムにおいては正常な後方抑制効果を示した。全体的にこの結果は進路決定を行う際に環境表現を更新する際の後方抑制の利用がウィリアムズ症候群において進路決定能力に影響を与えている可能性がある

(2015年4月)



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